20代女性/ADHDの傾向
― 美術系の大学を卒業したのは24年3月ですね。就職活動を始めたのはいつからですか。
本来なら3年生になったら就活を始めると思うのですが、私はその部分の情報が抜けていて、4年生の4月に就活をしなければいけないと気が付きました。
早く自立したかったので、一般枠で新卒採用中心の人材派遣会社か放課後等デイサービスを手掛ける会社を考えたのですが、その頃にはほとんどの企業が(一般枠の)エントリーを締め切っていました。
そんな状態で就活することはすごく苦しくて、「抑うつ」状態というか、うつ病気味になってしまいました。
それは寛解しているのですが、病院で改めて簡易検査をしたところADHD(注意欠如・多動症)のグレーゾーンの可能性があるという結果が出たため、障がい者枠での応募に切り替えました。
― 希望する職種の求人はあったのですか。
いいえ、かなり求人が限られてしまったので、業界を絞らずにウェブメディアや人事、もしくは営業職まで広げています。
また、ジョブローテーション(多くの職種を経験させるための定期的な配置転換)制度があることを重視しています。
― 募集が多い事務職はどうですか。
東京都が設置した「東京しごとセンター」で職業適性検査をしたところ、担当のキャリアカウンセラーさんから「事務職はやめた方がいいかもしれません」と言われました。
データ入力のアルバイトをした時、途中でやめた経験があるので、自分でも事務職は避けようと思います。
― 就職に関して大学に相談しましたか。
教職研究室に相談したところ、資格を取得して仕事の範囲を広げたらどうかとアドバイスされ、今は科目等履修生(科目単位で履修して単位が取得できる制度)として、26年3月まで勉強を続ける予定です。
美術教員になれるといいのですが、教員採用試験に落ちたら浪人する余裕はないし、天気が悪い日や気圧の変化で体調が悪くなることがあるため、教師を目指すことは難しいのかなと思っています。
講師なら融通が利くけれど収入面でだめ。となると一般企業に就職するという選択になりそうです。
― 「Smile」フェアを知ったきっかけは何ですか。
障がい者雇用のキーワードでネット検索をして見つけました。
私は早く自立して家を出ることを目標としているので、正社員の求人に絞ってエントリーしようと思います。
― 企業にはどのような配慮を求めますか。
先ほどお話ししたように、体調不良の日があるので、毎朝決まった時間の満員の通勤電車に乗ることがかなり難しいです。
それに定期的に病院へ通う必要があるので、時差出勤、また出退勤時刻や働く長さを自由に決められるフレックス制を利用したいです。
不安なことを相談できるカウンセラーの方がいるとうれしいですね。
明白な企業への配慮を持つJさん。仕事の範囲を広げるため資格取得を目指し、努力の日々は続く。