実践編3
書類選考を通過すると、いよいよ面接です。
面接は多くの方が緊張する場面です。面接官は皆さんが緊張していることもわかっています。
緊張していること自体がマイナス評価になることはありませんので、安心してのぞみましょう。
緊張することは自分の特性や性格とわりきり、自分の事を伝える準備・練習をします。どんな時に何を答えるのか、自分自身が慣れてくると、面接官の話に注力をすることができるようになります。
緊張をコントロールするためには、最初の数分間が重要です。
慣れた面接官であれば、緊張している様子や空気を見て、緊張をほぐしてくれる会話や投げかけをしてくれることもあります。
逆に面接官に「今日はとても緊張しています」と自ら話すことも問題ありません。こういった面接前の対話で緊張がほぐれる場合もあります。
面接の前に気を付けること
面接時のポイントの前に、基本である下記2点に気を付けましょう。
服装は高価である必要はありません。清潔感を心がけ、髪型をきちんと整え、シャツや服装のしわが無いかチェックしましょう。
また意外に忘れがちですが、靴の汚れもチェックし、事前に手入れをしておきましょう。
服装や髪型に乱れがあると、日常生活が整っていない印象を与えてしまいます。面接会場に入る前にトイレなどで服装・髪型をチェックしましょう。
緊張をすると多くの人は早口になりやすいものです。そのため、意識的にゆっくり話すようにします。
スピードとしては、自分の話が自分で聞こえるように話していきます。
この流れを作るためにも、入室して着席するまでの動作を意識的にゆっくりすることで、ペースを作ることができます。早口で内容が相手に伝わらないと、あとで改めて聞き返すことになるので、お互いに印象が良くなりません。
面接時のポイント
応募者にとって面接は「入社のため」になりがちですが、面接官にとっては「入社後に活躍するため」に行っています。
よって話の内容だけではなく、適切に受け応えできるかどうかも重要なポイントになります。論点になることが多い以下については、相手が十分に理解できるよう、話せる準備をしましょう。
・自己PR(人柄・性格)
・いままでの職歴
・障がいと配慮事項ついて
自分の性格や人柄の長所を中心に話すことが重要です。
ご自身をアピールする時間となりますので、なるべくポジティブな情報を伝えていきます。
具体的なエピソードを交えてイメージしやすくなると、より理解が深まります。
できれば友人や同僚などから、どのような性格といわれているかなど、客観的な評価も話せるとより良いです。そして短所はただ伝えるだけではなく、実践している改善策もあわせて話します。
(例)「私は粘りづよく業務に向き合い、正確性を大切にしています。前職のデータ処理では、イレギュラーな対応が多く、その都度、マニュアルを確認しなければならなかったのですが、確認を怠ることなく、成果物の正確性を上司から評価されていました。
初対面の人との積極的なコミュニケーションは苦手ですが、1〜2週間ほどで慣れて、徐々にコミュニケーションが取れるようになります。」
職歴から具体的な活躍のイメージを把握したいのが面接官です。
今までの経験から、得意な業務と評価された業務について具体的に例を踏まえて話していきます。
その時の勤務時間やチームの人数などを加えると、聞き手は業務のイメージが湧きやすくなります。
社内表彰の経験がある場合は、必ず伝えアピールポイントにします。
一方、職歴がない方は、学校生活で打ち込んでいたことや心がけていたこと、就業訓練や講習などの経験での気づき・学びを話すようにします。
職歴は職務経歴書などで企業に提出をしているので、同じ情報ではなく、具体的なエピソードや気づきを自分の言葉で話すことが重要です。
オープン雇用の場合、企業は入社後をイメージしながら配慮すべき事項を確認し、働きやすい業務や環境を考慮するために、障がい、配慮事項は特に重要な項目になります。
“事前準備2~企業が気にするポイント~”でもご案内をした、「服薬・通院の状況」、「障がいの理解・受容度」、「社会的なつながりやサポートの状況」、「気分の変化や体調の波の把握」を踏まえ、面接官に理解してもらいます。
実際、面接官にとって障がいや配慮事項は本人のプライバシーを尊重するため、質問しづらいものです。
そこで自分から病気や通院について伝えることは、ご自身の障がいの受容、理解が進んでいるというアピールポイントにもなります。
また、業務中に起こりそうな体調不良の要因がある場合は、対処方法とあわせて伝えていきます。
長く働くためにも、業務指示の方法や、休憩時間の取り方、支援ソフトや導線、通院による休暇など企業に配慮を求めることは確認していきます。
ただし一方的にお願いするだけでなく、ご自身で行っているセルフケアも伝えた上で、どうしても難しい苦手感・不便感があることへのサポートをお願いする、とのスタンスで話してください。
最後に
応募書類の書き方でも触れた通り、ご自身の障がいについての症状や特性、日常の不便感、苦手感や配慮事項などは、人それぞれであるため他者に伝わりにくいのが実際です。
第3者に話をして、正しく伝わっているかを確認したり、自分本位の話になっていないかを周囲に相談し、面接で話す内容の準備を行っていきましょう。