実践編1

 履歴書は、企業の採用担当者が私たちを初めて知ることのできる大切な書類です。

履歴書は応募者の全てを理解するものではなく、応募者に「興味を持ってもらう・不安な点をなくす」ためのツールです。

そのためにも、オープン雇用を目指すための応募書類作成には、事前準備2で説明した、「オープン雇用で企業が考えるポイント」を盛り込むこと、そして応募書類を書く基本的なルールを守ことが重要です。

実践編1では、スムーズに面接につなげるための応募書類の書き方を考えてみましょう

応募書類の基本ルール

 

原則的にはPCを使用してWordやExcelなどのアプリケーションで作成します。
手書きの方が気持ちは伝わるかもしれませんが、字の上手さによって内容に誤解が生じることもあります。
また、事務職を希望されている場合は、PCスキルのアピールにもつながります。
複数の企業へ応募を検討している場合は、簡単にコピーができますので効率もアップします。

 

PC使用を前提に、フォントや英数字などの半角/全角は統一しましょう。
フォントは(誤解を与えるような)丸みを帯びたものは避け、
「明朝体」または「ゴシック体」のような標準的なものを用います。

生年月日や入学/卒業などの数字記載は、和暦、西暦のどちらを使用してもかまいません。ただし、表記は統一するようにします。
また表現も統一する必要があります。
例えば“車”と書いた後に、“自動車”“クルマ”など別の表記が混在すると、文章の意味は伝わっても表記上のミスとして目立ちます。
漢字と仮名づかいも同様に揃えていき、記載箇所によって“わたしは”“私は”の変換ミスに注意しましょう。

 ある程度フォーマットが決まっている履歴書は、記載ができない項目もあります。その際は空白のままにするのではなく、“なし”または“特になし”など、一言文字を記載しましょう。

電話番号やeメールアドレスは、採用担当者が応募者に面接の連絡をする際に使用する重要な情報です。
固定電話を記載する場合は、必ず市外局番から記載をし、携帯電話の場合は“ー(ハイフン)”使って分かりやすい表記にします。
また、eメールアドレスはPC上で受験をする適性検査の案内が届く場合があります。
スマートフォン用のものではなく、PCでも受信できるものを記載することが理想的です。

 

学歴は原則的には義務教育後の高等学校や専門学校などから記載します。
小学校、中学校の義務教育は省略しても構いません。大学は必ず学部・学科まで記載をします。
どのような分野を学んだかということは、希望職種へのアピールになる場合もあります。

原則として、最終学歴後に社会保険に加入をした就労経験はすべて記載することが必要です。
また、会社名の記載には“(株)”などの省略した表記は避け、“株式会社”のように正式な名称を使用します。

短期のアルバイトなどは省略しても構いませんが、企業への就労経験がなかったり、離職期間が長い場合は、記載することをお勧めします。
その場合は勤務時間(10:00~16:00)や日数(週3日)なども記載し、具体的な就労経験を示せるようにします。
シフト制の勤務の場合は、”シフト制勤務”と記載をし、最も多かった勤務時間や日数を記載します。

これにより採用担当者は、どのくらいの勤務時間遂行(体力的な配慮事項の参考として)が可能かを判断するケースもあります。

また退職をした企業の記載は、“契約期間満了”、“一身上の都合”、“会社都合”など退職理由も一言加えまます。
派遣社員での勤務の場合は、登録先の会社名と派遣先の会社名を記載し、面接で余計な質疑応答が生じないようにします。

志望動機の書き方は、Webサイト上やマニュアル本に多くの文例とともに紹介されています。
それらを活用することも良いですが、志望動機は面接の時に高い頻度で質問をされる項目になりますので、単なるコピペではなく、ご自身の言葉で記載することが重要です。

当然ながら、志望をした要因をなるべく具体的に記載しましょう。
その際、過去の職歴での類似の業務経験や、応募企業のホームページなどを参考に志望をしたポイントを具体的に記載することは効果的です。

意外と見落としがちなのは、写真です。
髪がぼさぼさだったり、表情がかたかったりしていると、相手方にネガティブな印象を与えかねません。
逆に実物と異なり過ぎるものも、当日に違和感を与えるものです。

基本的には面接時の服装を想定した、清潔感のあるリクルートスーツを着用し、なるべく口角を上げた笑顔の写真であることが、良い印象を与えていきます。 

 

職務経歴書の基本ルール

職経歴書はご自身の能力やスキル、経験などをアピールする書類です。
履歴書のようなフォーマットはなく、Webサイトなどに文例を見つけることができます。
それらを参考にしながら書くのが早いと言えます。

勤務した企業を項目立てし、その企業での配属部署、担当職務名を記載し、職務の内容はなるべく具体的に書きます。
採用担当者が業務対応についての具体的なイメージがつくように記載しましょう。

またその業務においてご自身で工夫をしていたことや、気を付けていたことも記載するようにし、アピールポイントを加えておきます。
最後に過去の職歴を通じて得られた自分の強みや興味などの自己PRも記載することをお勧めします。

オープン雇用では障がいについての記載が重要となります。
そのため履歴書や職務経歴には、障がい名や保有する手帳の種類の記載に留め、詳しくは別の資料を作成することが望ましいと言えます。
こちらについては実践編2で詳しく説明します。

 

全体を通して

応募資料を見て、採用担当者には「この人と一緒に働きたい」「うちで働くイメージがわく」と思ってもらいたいものです。
そのため、なるべくネガティブな表現は避け、自身をアピールすることが何よりも重要です。
一人で記載をした文章はどうしても独りよがりになってしまうものです。説明が不十分になっていることもあります。
可能な限り、第3者に確認をしてもらうことをお勧めします。

 

執筆:株式会社セルム NANAIROチーム