骨折の後遺症で両下肢に障がいが。
職業訓練でウエブ作成の技術を学び
在宅勤務可能な仕事を目指す (50代男性、両下肢に障がい)
両下肢に障がいがあり、歩行には松葉杖が必要なTさん(50代男性、両下肢の障がい)は、これまでに6つ職場を経験してきた。
「職場環境の問題で健康を害することも多く、そのたびに職場を変えざるを得ませんでした」
いったん体調を崩してしまうと、辞めてもすぐには就職活動ができない。健康が回復するのを待って次の職場を探す。そんなことを繰り返してきたという。
最初の職場を辞めたのは、上司のパワハラが原因だ。Tさんは精神的に追い込まれ、体調を崩してしまった。それでも職場に迷惑を掛けてはいけないと考えて、土日に病院へ行って点滴を打ちながら、平日は勤務を続けた。
しかし、徐々にうつ病の症状も出るようになり、「これ以上続けるのは難しい」と判断して辞めた。体調の回復を待って再就職したが、その職場でもストレスが重なり、うつ病の症状が再発して結局、辞めることになった。
採用時の条件と、入社してからの条件が異なったケースもあった。ビルメンテナンスの会社に就職したときのことだ。Tさんは、現場スタッフとして採用されたのだが、実際に仕事を始めてみると、急に「責任者になってくれないか」と上司に頼まれたという。
ビルメンテナンスの仕事は、資格保有者がいなければ業務を担当できないことも多い。Tさんは電気主任技術者の資格を持っていたため、責任者になって欲しいと頼まれたのだ。
ビルのメンテナンスは非常に危険を伴う仕事。そんな現場で責任者になることは、大きなストレスがかかる。Tさんは過去にうつ病の経験があるから、ストレスの大きい職場は避けたかった。
「断ろうと思ったのですが、誰も引き受け手がなくて困っているようだから、結局は引き受けたのですが、最初に言ってほしかったですね」
こうした経験を重ねてきたTさんだからこそ、会社を選ぶときには、給与などの待遇面はあまり重視しないという。