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障がい者が話す「私の仕事探し」VOL.2
Tさんには職場を選ぶときの3つの基準がある。
「社会貢献ができること、自分自身が向上できること、自分の健康が維持できることです」
3つの基準に照らし合わせて就職先を選ぶ。業界にもこだわりを持っていない。これまで、その時代に活況のある業界を選んできた。1995年に発生した阪神淡路大震災の後は、復興需要で建設業界が盛り上がると考えて、土木施工、電気施工の仕事をした。
2000年代に入ると、日本経済は山を越え、景気後退局面に入った。第一次小泉内閣が発足したころのことだ。失業率は最高水準となり、景気は減速していった。米国経済も急速に減速し、それを契機に世界的に景気が悪化、国内では輸出業界が痛手を受けた。
「このときは、内需関連の企業がいいだろうと考えて就職先を選びました」
日本経済の先行きを見極めながら、就職先を選ぶのは難しいのではないかと思うが「そうでもない」と言う。Tさんはそのときの求人の状況から、時代の流れを感じ取っている。
「転職する際に、より多くの求人が出ている業界は、時代にあった事業を営んでいることを意味しています。それに従って職場を選べば時流に乗ることは難しくありません」