障がい者が話す「私の仕事探し」VOL.3

「障がい者のための就職・転職フェア SMILE」は朝日新聞グループの株式会社朝日エージェンシーが主催だ。身体、精神に障がいがある求職者300人近くが訪れる首都圏最大級のフェアに来場した人たちがどのように仕事探しをしているのか、現場で声を聞いた。


精神障がい者だけの閉鎖的な職場ではなく
健常な働く仲間ともコミュニケーションを取りながら
仕事に取り組みたい(40代男性、精神障がい)


外部管理の精神障がい者を 集めたチームに配属された

 精神障がいのある40代前半のCさんは、数年在職したある会社を退職して、新たな職探しを始めている。退職理由を一言で表せば「職場の人間関係」だが、パワハラのようなハラスメントではなく、「職場の人と関わることができなかったから」だ。

 Cさんは当時をこう振り返る。

「ハローワークでその会社の障がい者枠での募集を知りました。事務職で主にデータ入力という仕事内容が自分に合っていたこと、会社が自宅から近かったこと、そして社員登用だということです」 

 Cさんは40代前半という年齢から、契約社員のような有期の仕事ではなく、定年退職年齢まで勤められる職場で働きたいという気持ちが強くあった。条件面で、それに応えてくれたのがその会社だったのだ。

 出社してCさんは驚いた。

「特例子会社ではなかったので、その会社の中で(健常者と一緒に)働けると思っていたのですが、実は障がい者の管理は外部の会社に任せており、私は精神障がい者を集めたチームで働くことになりました」

 最初は6、7人のチームだったが、徐々に増えていき、最終的には18人ほどの人数に膨れ上がった。

「人数が多いことはいいとしても、私は積極的に職場の人とコミュニケーションをとりながら仕事をしたかったのです」

 朝のあいさつや休憩時間の雑談、仕事上の相談、時には隣の人と冗談を言い合ったり……それは多くの職場で見られるありふれた光景だが、Cさんの職場ではかなわなかったという。会社や管理者に禁止されたわけではない。

「私は職場の人たちとはコミュニケーションを取りながら仕事がしたかったのですが、そこにいた人たちは関わり方がちょっと特殊な人が多くて戸惑いました。話しかけても関わってくれるなという人が多かった」

 

さらにモチベーションを大きく下げる出来事が…


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