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障がい者が話す「私の仕事探し」VOL.3

いずれ正社員登用という 約束が覆されて退職を決意

 もしCさんが健常者に交じって働くことができていたら、「職場の人間関係」に悩むことはなかったかもしれない。そんなところにCさんのモチベーションを大きく下げる出来事が起こった。Cさんには、会社が求めるクオリティーの仕事をしてきた自負がある。当然最初の約束通り、正社員登用を期待していたのだが、「正社員登用はできないと言われたのです」(Cさん)。

 最も重視していた当初の条件が覆されたことで、Cさんは退職を決意した。

「今求めている仕事は、職種としては経験を積んできた一般事務です。業種にはこだわりがありません。私は仕事ありきで考えているので、前職のようなデータ入力が中心であれば、どのような業種の会社であってもいいと思っています」

 Cさんが求人を見るときに必ずチェックする項目がある。

 まず、正社員登用を前提とした採用なのか。次に給料、勤務地、年間休日・残業時間、そして書類選考からスタートするのか否か。正社員登用、給料、勤務地という条件は分かるが、年間休日・残業時間・書類選考はCさんにとってどういう意味をもつのだろう。

「それはワークライフバランスを重視したいからです。残業時間は月20時間以内(1日1時間程度)だとうれしいのですが、でも絶対条件というわけではありません」
書類選考の項目は転職歴の多さで落とされることを心配しているからだ。

「障がい者枠での転職歴は1回ですが、以前、一般雇用で働いていた時に20回以上の転職歴があるのです。一般雇用の時は障がいを開示しておらず、職場が合わなくて転職を繰り返してしまった」

 
自分自身で自己理解と障害理解ができていない
 

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