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障がい者が話す「私の仕事探し」VOL.4

精神障がい全般に対し、 世間の認識は足りない

 残念ながら、こうして情緒が不安定になりやすいのが「情緒不安定性パーソナリティ障がい」の特徴であることは、世の中であまり周知されてないのが実情。そういった点に関しても、Kさんは前の職場が合わなかったと感じたようだ。

 仕事や私生活におけるストレスや睡眠不足、疲労の蓄積などを通じて、誰しも大なり小なり情緒が不安定になるものだ。「情緒不安定性パーソナリティ障がい」の場合は、もっと過敏で多感であり、そのことに対する周囲の配慮が求められる。

 加えて、「パーソナリティ障がい」という名称自体にも、誤解を招きやすい側面がある。下手をすれば、「パーソナリティ(その人の人格や個性)の障がい」と受け止められかねないのだ。

 そういったことから、この障がいを抱えている人に侮辱的な言動を行ったり、周囲の人々にも誤った認識を植え付けてしまったりする恐れがある。そして、Kさんのように「情緒不安定性パーソナリティ障がい」を抱えている人たちの心をいっそう傷つけてしまう。

 何より、精神障がい全般に対する世間の認識が足りないことも大きなネックになっているようだ。Kさんは次のように指摘する、

「とかく世間では、『精神障がい=知能が低い』と受け止められがちです。実際、これまでにもバカにされたり、失礼な発言をされたりすることが多々あって、そのたびに悲しい思いをしてきました」

 
Kさんが新たな職場に求めるサポートとは?
 

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