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障がい者が話す「私の仕事探し」VOL.4

やはり、Kさんが新たな職場に求めている第1の条件は、自分の障がいについてきちんと理解してもらえることだという。
「まず、『情緒不安定性パーソナリティ障がい』がどういった疾患なのかについて、職場の同僚の方々にちゃんと理解してもらっていると、私が抱える不安もかなり解消されると思います。そのうえで、ちょっと様子が変だと感じたら声がけをしていただけると、非常にありがたいですね」
そういったサポートがあれば心強いものの、それでも対人関係に不安があるので、今度は人と接する仕事は選ばないつもりだという。
「IT関連やゲームなど、クリエイティブな作業を行う仕事に携わりたいと思っています。そういったことを念頭に置き、勉強してタイピングの資格も取得しておきました」
なかなか自分に自信を持てず、自己肯定感が低くなりがちな障がいであるだけに、新たな仕事に就くことに少なからず不安も感じているようだ。Kさんはこう本音を吐露する。
「自分に任された仕事には責任を持って取り組むべきですが、私自身は未熟ですし、入院生活で社会人としてのブランクが空いてしまったので、なかなか自信を持てないのも確かです。また、最近は治まっているのですが、就労中にパニック症状が出てしまったら怖いという不安もあります」
Kさんのような障がいを抱えている人に対しては、むやみにプレッシャーをかけることなく、コーチのように脇に寄り添いながらアドバイスを行うことが大切。そして、リラックスした状態で業務に取り組むことで、その能力を大いに発揮してもらえるだろう。
「障がい者のための就職・転職フェア SMILE」の出展企業はいずれも障がい者雇用実績があり、採用に積極的な優良企業だ。ブースでは採用担当者と話ができ、「たくさんの企業様に繋がり、嬉しかった」「直接企業の方とお会いし、話ができたことがよかった」などの声が聞かれた。 |
(取材・文/大西洋平)
