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障がい者が話す「私の仕事探し」VOL.10

仕事はお金を手に入れる手段ではなく 豊かな人生を手に入れるため

 Dさんの得意科目は英語だ。

「僕は17歳のときに英語がしゃべれたらかっこいいなと思って、英語の勉強にこれまで1万時間くらい費やしたので、自信があるし好きなのです」

 TOEICの点数でいえば805点(満点990点)。一般に800点以上はネイティブレベルといわれるからDさんの英語力は現時点で高いレベルにあるのだが、「805点は不本意です。次の試験では900点を取りたい」と悔しがる。

「学習塾の他には留学生向けの日本語講師の職も検討しています。英語力を活用して、将来の目標に役立つ『教えるノウハウ』を吸収したいのです」

 給料は生活ができる月額18~20万円程度でいいと話す。「仕事はお金を手に入れる手段ではなく、豊かな人生を手に入れるための手段であると思っているので、給料にこだわるつもりはありません」

 では、学習塾の募集があったとして、障がい者の受け入れ体制に要望はあるだろうか。

「たぶん、障がいを抱えながら講師になる人はまれだと思うので、学習塾側も受け入れ体制は整えていないと思います。だからといって特別な配慮・支援を求めるつもりはなく、職場の雰囲気がいいとか、人間関係が良好だとか、講師間のコミュニケーションが取れているとか、そういう会社を探しています。もちろん、障がいについて理解してくれる職場なら、よりいいとは思いますが、結構ハードルの高い目標なのかなと自分でも思っています」

  ぜいたくを言えば……と前置きをしてDさんは、「疲れたときに仮眠が取れるリクライニングチェアがあれば、もっといいかな(笑)」。

 学習塾にはいろいろな生徒が学びに来るだろう。中には精神の悩みを抱えている子どもがいるのではないかと、Dさんは自分の体験に照らして話す。

「僕はその子たちの気持ちは、より理解しやすいのかなと思います。例えば不登校児童生徒たちのための教育サービスがあるとするなら、その講師に応募したい。言い方が少し雑かもしれませんが、社会からあぶれちゃった人を救い出す仕組みがあってもいいと思います」

 
Dさんが起業を考えるプラットフォームとは?
 

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