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障がい者が話す「私の仕事探し」VOL.11

障がいも多様性の一つ それを理解してくれる職場を探す

 Nさんは、小さいときからパソコンに親しんできた。祖父や父親の影響で中学生のころに興味を持ち、大学でも工学部に進んだ。現在も会社でパソコンを使って疲れて帰っても、家では自作パソコンを組み立ててしまう。だからこそ、IT分野の仕事は続けたいと考えている。これまでの経験と知識を生かして、別の業種でIT関連の仕事をしたいと考えている。

「SMILE」に参加しようと思ったのは、カメラメーカーのキヤノンが出展しているのを知ったから。

「カメラだけではなく、医療機器分野など新事業をどんどん広げていることに可能性を感じました」

 実はNさんの高校時代の同級生がキヤノンに勤務しており、以前から職場の様子を聞いていた。ホワイト企業で人を大事にしている会社であることが、友人との会話の中で伝わってきたという。加えて、膨大な数の特許を保有している。

「それだけ技術開発に力を入れているということだと思います」

 Nさんの希望は収入面よりも、残業が少なくて心身の健康が保てることだ。現在の職場は残業が多いため、仕事とプライベートのバランスがとりにくい。

 Nさんは、精神障がいの影響もあって、もともと仕事とプライベートのスイッチの切り替えがうまくいかない。仕事が忙しくなると、無意識に仕事のことばかり考えてしまう。集中力が高いことでアイデアが浮かぶなど、仕事にはプラス面もあるが、長く続くと健康を害してしまう可能性がある。

「精神障がいも多様性の一つだと思っています。年齢や性別などにかかわらず、さまざまな人が働きやすい環境を整えてくれるといいと思っています」

 
一般枠と障がい者枠のギャップに驚いたMさん
 

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