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障がい者が話す「私の仕事探し」VOL.11

フリーランスも視野に入れて 新たな仕事に挑戦する

 Mさん(30代女性、精神障がい)もやりがいを求めて転職を考えている。以前からデータ入力の仕事をしており、最初は一般枠で就職したが、その後、障がい者枠で転職をして現在に至っている。

「同じデータ入力の仕事だったので、大丈夫だろうと思って転職したのですが実際には大きく違いました」

 データ入力は同じ作業の反復が多いが、障がい者枠で転職をしてからは、さらに簡単で単純な入力作業になってしまったという。また、障がい者枠での勤務は収入も大きく下がってしまった。その点は障害年金を受給することである程度は補えているが、仕事に変化がないことがストレスになっている。

「一般枠と障がい者枠でここまでギャップがあることに驚き、どうしても我慢できなくなってしまいました」

 Mさんがとくに心配しているのは、いまの仕事をどれだけ続けても、スキルアップが見込めないことだ。ただ、これまでの経験を生かすとなると、どうしてもデータ入力の仕事になってしまう。そこで、現在はコーダーの勉強をしている。コーダーはプログラミング言語を使ってWebサイトやWebアプリを構築する職業だ。

「ただ、障がい者枠での求人は事務職が多く、コーダーのような専門職の募集が少ないのが難点です」

 それを考えると「一般枠で応募しようか」との迷いもある。ただ、一般枠で入社した会社では、障がいの影響で仕事に集中しすぎてしまう面があり、気分転換がうまくいかず長続きしなかった。将来的には技術を身に付けて、フリーランスで働くことも視野に入れている。在宅であれば、気分転換がしやすく長く続けられる。

「SMILE」は、多くの企業が出展していて、幅広い職種の求人がある。Nさんのように希望の出展企業がある場合だけでなく、Mさんのように「一般と障がいの間にいる人に向いている職業」を探している人にでも、なにか手掛かりが見つかるだろう。


10月22日に大手町三井ホールで開催される「障がい者のための就職・転職フェアSMILE」。現在、26社の出展企業が予定されている。出会いの機会を増やし、いろいろな情報を入手したい。

(取材・文/向山勇)

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