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障がい者が話す「私の仕事探し」VOL.12

夏場の労働環境が過酷で 休職を経て退職を選択

 せっかく取得したPSWの資格だったが、二度も同じような違和感を覚えたのを教訓に、Nさんは食品メーカーへの転職を決めた。食品工場に所属する嘱託社員として、総務事務の仕事に就いたのだ。

「任された業務の中に、工場勤務の従業員の方々が着ている作業服を洗濯する仕事がありました。実はこれが想像以上に重労働で、特に夏の作業場は蒸し暑くて非常に過酷な環境でした。転職から約2年半が過ぎて二度目の夏が訪れた際、ついに私は体調を崩して休職することになったのです」

 休んだのは3週間程度で、勤務先からも「体調回復後は引き続き勤務をお願いします」と告げられていた。しかし、同僚にすっかり迷惑をかけてしまったと思い、居づらくなったNさんはこの職場も去ることを決意したという。

 そこまで負い目を感じる必要はないと思った読者もいるだろうが、統合失調症では「抑うつ」の症状が見られることがある。

 気分が落ち込んでマイナス思考に陥ったり、無気力になってしまったりするケースがあるのだ。統合失調症の原因はまだ解明されていないが、約100人に1人が患うと言われ、けっして珍しい病気ではない。脳内で神経伝達物質のバランスが乱れることが関与しているとか、精神的なストレスが一因となっているという説も唱えられている。

 
前職を辞めた理由を悔い、新たな職場に求める条件とは?
 

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